2010年にはじめて開催された瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)の小豆島に展示された作品を紹介します。

瀬戸芸は現代アートの祭典なんだよね?



そうだよ。現代アート×島、どんな作品ができあがるのか、すごく楽しみだったなぁ。


土と生命の図書館


アーティスト:栗田宏一 | Japan
作品名:土と生命の図書館
瀬戸内海に面した土地と瀬戸内海に流れ込むすべての河川流域で採取された土が並べられている作品です。兵庫県、岡山県、香川県、愛媛県、広島県、山口県、福岡県、大分県の約350市町村で採取された600の土たちが幾何学的なパターンで並んでいました。
採取した後、乾燥させ、根っこや葉をのぞいただけで、色をつけてたりしていない自然のままの土だそうです。



土ってこんなにいろいろな色があるんだね。
小豆島の家


アーティスト:王文志 | Taiwan
作品名:小豆島の家
小豆島のほぼ真ん中にある千枚田の中に巨大なドームが登場しました。地元の人たちと協力して切り出した大量の竹を使って作られた作品で、中に入ることもできました。
ドームの形は脱穀された米の形を象徴しているそうです。
王さんの作品はとても人気が高く、2013年、2016年、2019年に開催された瀬戸芸でも、この同じ場所に形を変えた竹の作品が作られました。



竹の合間をすりぬけていく風が心地よく、のんびりと棚田を眺めながら過ごすことができる素敵な作品だったよ。
写真の手前に見えている畦道にたくさん設置されている竹は、ダダン・クリスタントさんの『声なき人々の声』という作品です。
尺八にヒントを得たというこの作品は、竹に開けた穴を風が吹きぬけると音が鳴るように設計されていていました。
つぎつぎきんつぎ


アーティスト:岸本真之 | Japan
作品名:つぎつぎきんつぎ
小豆島のお家や宿などに呼びかけて使われなくなった食器を集めて、「金継ぎ」という古くからの陶磁器修復技術を使いつなぎ合わせています。
役目を終えてしまった食器をオブジェとして新たに再生し、島民の日常と記憶をつなぎ結晶化させた作品です。



とてもキレイなオブジェだけど、よく見ると、丼だったり急須だったりいろんな食器が使われていて面白いね。
Net-Work


アーティスト:スゥ・ドーホー | Korea/USA
作品名:Net-Work
昔、塩田(海水から塩を作る場所)があったちかくの浜辺に飾られている作品は、パッと遠目に見ると漁の網を干しているかのように見えるけれど、近づいてよく見てみると小さな人型が手足をつなぎ合わせてできていた。
「人間は、集団で社会を作り協働すると同時に、定められたネットワークにとらわれている」という両義的な意味のある作品となっていました。



すごくピカピカ光っていてキレイ!でも網に引っかからないように気をつけなくっちゃ。
まとめ
今回紹介した以外にも小豆島の中には、いくつか作品が展示されていました。どれも島の自然物を使っていたり、島民と協力しながら作った作品となっていました。
はじめての瀬戸内国際芸術祭に参加して感じたのは、ただアート作品を島に展示するということではなく、島の風土をいかし、地域の人とのコミュニケーションを大切にして、地元の人とともに作り上げていくことを大切にしている芸術祭なのだということでした。